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社会

1,587人という数字が突きつける問い ― 被害者を守ることと、証拠で裁くことは両立するのか

2026/8/19

1,587人という数字が突きつける問い ― 被害者を守ることと、証拠で裁くことは両立するのか

8月18日、フランスのジェラルド・ダルマナン司法相はX(旧Twitter)に一つの数字を投稿した。1,587人。6月初旬以降、未成年者への性的暴力に関する事件で収監された人数だという。前回発表の8月4日からわずか2週間で163人増え、司法捜査に至った件数も約100件増の2,100件に達した。これは単なる治安統計ではない。この数字の背後には、11歳の少女の死という一つの悲劇と、彼女を救えなかったかも…

ミスト噴霧器の下で子どもが遊ぶ、パリ3区役所前の8月

2026/8/19

ミスト噴霧器の下で子どもが遊ぶ、パリ3区役所前の8月

水を汲む列に並ぶ母親、洗濯物を干す手、そして遊具のまわりでミスト噴霧器の霧を浴びながら「ほかのことを忘れようとしている」子どもたち。8月のパリ3区役所前の広場には、テントと簡易シートが並んでいる。子ども約70人を含む約250人が、支援団体Utopia 56の助けを借りてここに身を寄せている。6月23日から緊急宿泊施設「サミュ・ソシアル」本部前を占拠していた約450人が、8月13日の警察介入で退去さ…

火は待ってくれない ― ランド県の山、ボルドーの緑、マイヨットの海が問う「公平」の値段

2026/8/17

火は待ってくれない ― ランド県の山、ボルドーの緑、マイヨットの海が問う「公平」の値段

木曜日、ランド県リュグロンで火の手が上がった。土曜日までに焼けた面積は約1,600ヘクタール。消防士550人、カナデール4機、ダッシュ機2機、そしてオーストラリアからわざわざ飛んできたチヌークヘリコプター1機が投入された。数字だけ見れば、これは国家が総力を挙げて対応した「成功例」に見えるかもしれない。

「保護」という言葉が守るのは誰か——フランスの夏に浮かび上がった三つの断層

2026/8/17

「保護」という言葉が守るのは誰か——フランスの夏に浮かび上がった三つの断層

8月のある日、パリ近郊の空港で、ある男性を見かけたという読者からのメッセージが、調査報道メディア「メディアパルト」の記者のもとに次々と届いた。歌手で俳優のパトリック・ブリュエル。レイプや性的暴行など約10件の告訴を受け、司法当局への出頭義務を負い、国外への渡航を禁じられていたはずの人物だ。だが7月21日、予審判事は彼の申請を認め、司法監督の一部を緩和していた。彼はホテルでも、国外でも目撃されていた…

「80%で乗り換えてください」——高速道路の充電待ちが教えてくれる、自由の値段

2026/8/16

「80%で乗り換えてください」——高速道路の充電待ちが教えてくれる、自由の値段

ドローム県、A7号線サン=ランベール=ダルボンのサービスエリア。青いベストを着た係員ジェローム・デュボワさんが、充電器の前に並ぶ電気自動車のドライバーに声をかけている。「10%から80%まで充電する時間と、80%から100%まで充電する時間は、ほぼ同じです。80%で止めれば、ほかのドライバーのために場所を空けられます」。冗談めかして彼はこう続けた。「まだ精肉店のような状態ではありませんが、いずれそ…

SNSは禁止できないのに、デモは禁止できる――フランスが8月14日に引いた自由の線

2026/8/15

SNSは禁止できないのに、デモは禁止できる――フランスが8月14日に引いた自由の線

8月14日金曜日、パリの憲法評議会は一日のうちにいくつもの判断を下した。15歳未満のSNS禁止案には「表現および通信の自由に対して過度な侵害を与える」として待ったをかけた一方、フリーパーティーや都市型暴走行為を厳しく取り締まる「リポスト法」については、大部分をそのまま合憲と認めた。同じ日、リヨンでは県庁が、日曜日に予定されていた極右団体「Save Europe Act」の集会だけでなく、それに反対…

消防士の80%はボランティア――ランドの森林火災が突きつける「献身への依存」という問い

2026/8/15

消防士の80%はボランティア――ランドの森林火災が突きつける「献身への依存」という問い

「身分証明書やパソコン、写真、子どもの頃の思い出、両親や家族みんなの写真、それに犬たちです」。8月13日の夜、フランス南西部ランド県で、ある男性は数分のうちに家を出なければならず、持ち出せたものをそう列挙した。車の中にいた別の女性は「パニックです。何より、家を焼かれたくない。でも、どうしようもありません」とこぼした。二人が語ったのは、燃える森を前にした人間の無力さだった。

「なぜ私はここから移らなければならないのですか」――秩序の名のもとで、誰が個人を守るのか

2026/8/14

「なぜ私はここから移らなければならないのですか」――秩序の名のもとで、誰が個人を守るのか

2026年8月13日の朝6時過ぎ、パリ13区のジャン=バティスト・ベルリエ通り。子どもの声が響く。「パパ、見て。警察がいるよ」。約100人の機動隊(CRS)に囲まれた群衆の中を、少年が父親と歩いていく。ここはパリ市社会救急サービス(Samu social de Paris)の本部前で、子ども150人を含む450家族が1カ月以上にわたって寝泊まりしていた場所だ。妊娠5カ月の妻とともに「ほぼ1カ月」こ…

「48時間で35トンの寄付」と「24時間の退去命令」――連帯はどこで制度になるのか

2026/8/13

「48時間で35トンの寄付」と「24時間の退去命令」――連帯はどこで制度になるのか

メデジンの工業地帯にある倉庫に、途切れることなく車が入ってくる。ウィルソン・トルヒージョは荷室いっぱいに物資を積んだ四輪駆動車で到着し、フランス・アンフォの記者にこう語った。「私たちは多くの悲劇を経験してきました。アルメロの災害、アルメニア地震……そして私たちは、いつも助け合ってきました」。パートナーと一緒に段ボール箱を運んできたバレリア・トロも、「たとえ小さな力にすぎなくても、貢献したかった」と…

42,000ヘクタールが灰になった後、市長が中央政府に問いたかったこと

2026/8/12

42,000ヘクタールが灰になった後、市長が中央政府に問いたかったこと

「冬には水を吸い上げる森がなくなる」。ジロンド県アレス市の市長グザヴィエ・ダネイはそう警告した。今年の山火事で焼失した森林は42,000ヘクタール。単純に「森が燃えた」という話ではなく、焼けた土地が保水機能を失えば、次にやってくる洪水のリスクが跳ね上がるという、時間差で連鎖する災害の話だ。彼はこの現実を踏まえて、河川や湿地を守るための「水生生物多様性の保護区」を作るべきだと提案している。ただし彼が…

国境を越えてきた人を、私たちは何と呼ぶか

2026/8/12

国境を越えてきた人を、私たちは何と呼ぶか

名前はアニス。17歳。スクーターに乗っていた。交通検問を無視して走り去り、フランス国家警察の複数の車両に追われた末、金曜の夜に病院で息を引き取った。トゥールーズ検察当局は、死因の究明と公務執行への不服従という二つの捜査を開始した。アニスには司法上の前歴はなかった。フランスにはおじとおばが住んでいたが、単身で暮らす外国籍の未成年者で、残りの家族はアルジェリアにいた。家族の弁護士は、遺族が検視結果を待…

戸棚から見つかった2019年の事件記録——公権力を検証するのは誰か

2026/8/12

戸棚から見つかった2019年の事件記録——公権力を検証するのは誰か

ブーシュ・デュ・ローヌ県のある警察署で、2019年の日付が入った性的暴力の事件記録が、戸棚の奥から「掘り出された」という。捜査員はフランス・アンフォの取材にこう証言している。「これほど時間がたってから、事件が進展していないと被害者に伝えるため連絡を取るのは、当然ながら喜ばれることではない。そのため、私たちは謝罪している」。6年間、その被害者は自分の申告がどこにあるのかも知らずに過ごしてきた可能性が…