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社会

4807メートル45センチの山頂から考える:「数字」と「発表」のどこまでを事実と呼べるのか

2026/10/15

4807メートル45センチの山頂から考える:「数字」と「発表」のどこまでを事実と呼べるのか

9月17日の木曜日、測量士と高山ガイド32人のチームがモンブランの山頂に立った。山頂には約3時間とどまり、レーダーやドローンなど複数の機器で、1センチ単位の精度の数値を出したという。10月14日水曜日にオート=サヴォワ県の測量士らが公表した新しい公式の標高は、4807メートル45センチだった。

往復20ユーロの高速道路と、庭先のアスファルト――便利さの請求書は誰に届くのか

2026/10/12

往復20ユーロの高速道路と、庭先のアスファルト――便利さの請求書は誰に届くのか

高速道路のすぐ隣に庭がある。そう聞いて、読者はどんな暮らしを思い浮かべるだろうか。

痛みを語る人、聞く人――フランスの「告白」が問いかける、共感のあとに残るもの

2026/10/12

痛みを語る人、聞く人――フランスの「告白」が問いかける、共感のあとに残るもの

10月11日の日曜日、サン・ピエトロ広場。「アンジェラスの祈り」を終えたローマ教皇レオン14世は、集まった人々に自分の体のことを語り始めた。「医師たちは介入が必要だと判断した。その助言に従い、摘出手術を受けることを決めた」。肺に見つかった結節を、数日中に摘出するという。71歳の教皇は、結節は「早期の段階で発見された」と述べ、安心するよう呼びかけた。

「助けて」と言えない人に、誰が手を差し伸べるのか――ミネアポリスの送迎、フランスの電話勧奨、紅海の沈没船から

2026/10/12

「助けて」と言えない人に、誰が手を差し伸べるのか――ミネアポリスの送迎、フランスの電話勧奨、紅海の沈没船から

ミネソタ州ミネアポリスで、ある母親がジュリア・バエスに連絡してきた。頼みごとは一つ。子どもたちを学校へ連れて行ってほしい、というものだった。母親は外国の出身で、外に出ることを恐れていた。バエスはこのときの思いをこう振り返る。「この母親は、あまりにもおびえているから、最善の選択肢は見ず知らずの人に子どもを託すことだと考えている」。

誰の一票が「普通」なのか——マルセイユの街角から見える、フランスという共同体の境界線

2026/10/11

誰の一票が「普通」なのか——マルセイユの街角から見える、フランスという共同体の境界線

1983年10月15日、マルセイユのある街角から、一つの行進が歩き出した。目的地はパリ。参加者たちは「平等と反人種差別」を掲げて歩き続け、やがて全国を巡ってパリにたどり着いた。メディアはこの行進を「Beursの行進」と呼んだ。「Beurs」とは、マグレブ系移民の子どもたちを指す当時の俗語だ。その行進から40年以上が経った今も、当時の参加者の一部は現役で活動を続けているという。RFIの報道が伝えるこ…

2ユーロの抽選券と、休暇という権利ー誰がケアの代償を払うのか

2026/10/10

2ユーロの抽選券と、休暇という権利ー誰がケアの代償を払うのか

10月9日金曜日の朝、パリでは一枚2ユーロの抽選券がオンラインで売り出された。慈善団体レスト・デュ・クールが来年4月にカジノ・ド・パリで開くコメディー公演「レ・ザンフリュール」の抽選券だ。当選すれば2人分の入場券がもらえ、50万枚が売れれば最大100万ユーロが集まる計算になるという。コメディアンのジャリが呼びかけ人となり、ルドゥアン・ブゲラバやケヴ・アダムスら人気芸人が出演を予定している。利益はす…

15歳が手を失った朝、フランスは「秩序」の値段を問い直している

2026/10/7

15歳が手を失った朝、フランスは「秩序」の値段を問い直している

10月5日月曜日の午前10時半、パ=ド=カレー県ランスのオーギュスト・ベアール職業高校の前には、200人から250人の高校生が集まっていた。県知事の説明によれば、彼らは警察官に石や花火、迫撃砲型の花火を投げ、警察側は規定の警告を行ったうえで介入した。その数分後、2年生の15歳の男子生徒が手を失った。内相ロラン・ニュネは「抗議行動で手を失うようなことがあってはならない」と述べ、国民教育相エドゥアール…

保険料月90ユーロが払えない国で、「自己責任」は何を隠すのか

2026/10/6

保険料月90ユーロが払えない国で、「自己責任」は何を隠すのか

片道40分、往復80分。28歳のその男性は、毎日その道のりを警察の検問を避けながら運転する。フランス・テレビジョンの取材に応じた彼は、6カ月前から無保険で車を走らせている。「電車もバスも通らない田舎町で働いている。車で移動せざるを得ない」。収入は月1,600ユーロ、家賃は700ユーロ。事故で保険料が上がったあと、月90ユーロの保険料が払えなくなった。「生き延びるためです」と彼は言う。

偽の銃、壊された聖母像、「暴露」動画——フランスで事実を決めるのは誰か

2026/10/5

偽の銃、壊された聖母像、「暴露」動画——フランスで事実を決めるのは誰か

10月2日金曜日、カルヴァドス県カーンの集合住宅街。高校生たちが学校封鎖運動のために集まっていたそのとき、バルコニーから一人の女性が銃を構え、生徒たちに向けた。その瞬間はスマートフォンで撮影され、瞬く間にネット上に広がった。

雨水タンクとビーバーダムと壊れた橋——「使われない余力」は誰の財布から出るのか

2026/10/4

雨水タンクとビーバーダムと壊れた橋——「使われない余力」は誰の財布から出るのか

パリ13区の共同菜園で、マリー=セシル・ヴェツェルは小雨の降るある日、来客に自慢げに見せるものがあった。裏手に置かれた容量1000リットルの雨水タンクだ。設置からもうすぐ10年、猛暑が続いた今年の夏の終わりでも、タンクの水はまだ半分以上残っている。「これがあれば、街の水道が止まっていても植物に水をやれる。市の水を使う量を減らせるんです」と彼女は言う。彼女は2基目の設置も検討しているという。

家族に頼れなくなったとき、社会は誰の肩代わりをするのか

2026/10/4

家族に頼れなくなったとき、社会は誰の肩代わりをするのか

マドリードのアパートに70年間暮らしてきた87歳の女性、マリカルメン・アバスカルさんのことを想像してみてほしい。子どもの頃からの部屋、隣人との挨拶、近所の市場――そうした生活の積み重ねが、ある日突然終わりを告げる。彼女の住居を買い取った不動産会社が家賃を275%引き上げようとし、支払えない彼女は立ち退かされた。一人の高齢女性の暮らしが、投資会社の収益計算の前に崩れ落ちた瞬間である。

14歳の少年の折れた歯と、警官を蹴った足——フランス高校生運動が映し出す二つの暴力

2026/10/4

14歳の少年の折れた歯と、警官を蹴った足——フランス高校生運動が映し出す二つの暴力

エデンという14歳の少年は、あごの骨を二重に骨折し、上の歯をすべて失い、下の歯も4本失った。9月28日月曜、ヴァル=ドワーズ県サン=トゥアン=ロモーヌのリセ・シャトー・デピュシュ前で、彼は高校封鎖の集会に参加していた。検察局の説明によれば、ある高校生が女性警察官に接近し、殴り、押し返された末に地面に倒れた。そこへ別の警察官が「クーガー」と呼ばれる発射器を使い、顔面に弾体を撃ち込んだ。それがエデンだ…

高校生が壊した窓ガラスの代金は、誰の財布から出るのか

2026/10/3

高校生が壊した窓ガラスの代金は、誰の財布から出るのか

10月1日木曜日、フランス全土で900校を超える高校が封鎖された。その数日間で約2000人が身柄を拘束され、司法相のジェラルド・ダルマナンによれば、そのうち90%が未成年者だったという。焼かれた校舎、襲撃されたバス停、壊された校長室――映像に映るのは、顔を隠した十代の若者たちと、彼らを前に戸惑う警察官の姿だ。「警察官は皆、家庭を持つ父親であり、相手が子どもたちであることが多いので、行動に出るのは非…

高校前で燃えたデオドラント缶と、地面に倒された市議――「抗議する権利」はどこまで守られるのか

2026/10/3

高校前で燃えたデオドラント缶と、地面に倒された市議――「抗議する権利」はどこまで守られるのか

フランス東部セレスタにあるリセ・コエベルレの前で、ある女子生徒は目の前で起きたことをこう語っている。「仲間が火を起こした。知り合いがデオドラントのボトルを炎の中へ入れた。爆発する噴霧剤が飛び、彼の腕に直撃した。彼は腕を覆う出血の中で走り出し、叫んだ。穴が開いていて骨が見え、私たちは皆ショックだった」。高校生の集会に集まった若者たちのあいだで、誰かが悪ふざけのように投げ入れたスプレー缶が、一人の同級…

「来年度までに看護師1万人は養成できない」——声なき被害者を国家はどう拾い上げるか

2026/10/2

「来年度までに看護師1万人は養成できない」——声なき被害者を国家はどう拾い上げるか

「長い間、この暴力は隠され、窒息させられてきた」。フランス議会のエルワン・バラナン議員(MoDem)はそう言い切った。その直後、彼は現実的な数字を口にする。幼稚園児から成人に達するまで、すべての生徒を対象に年次の面談を設け、暴力の兆候を早期に拾い上げる——その法案を実現するために必要な看護師は、あと1万人。だが「来年度の新学期までに、それだけの人数を養成することは、現時点ではできない」。

バルデラの「若き日の発言」とマルセイユの一斉検挙、フランスが問い続ける「変わった」の中身

2026/10/1

バルデラの「若き日の発言」とマルセイユの一斉検挙、フランスが問い続ける「変わった」の中身

パリのある地区で、スコット(仮庵祭)のために設けられた木造の仮小屋が並ぶ通りを歩きながら、28歳のアンソニー氏はこう漏らした。「これは本当に私の心に響く。私はユダヤ教徒であり、受け入れられない。彼は二重の顔を使い分けているようだ」。彼が話していたのは、次期大統領選の最有力候補の一人とされる国民連合(RN)党首、ジョルダン・バルデラ氏のことだ。調査報道サイト、メディアパールが9月28日に報じたところ…

赤く光る大統領の顔、リークした予算案、無効になった25票差——「事実」を誰が確定させるのか

2026/9/30

赤く光る大統領の顔、リークした予算案、無効になった25票差——「事実」を誰が確定させるのか

9月25日、エリゼ宮の温室で、エマニュエル・マクロン大統領の顔が赤く照らされた。教皇レオン14世との握手の場面だ。この数秒の映像がXで拡散し、「あの冷笑、炎が見える。あそこにあるのは悪魔の姿だ」という投稿とともに、フランスは悪魔に統治されているという主張の証拠にされた。

選べることと、選べる条件は違う——フランスが問う「自己決定」の制度設計

2026/9/29

選べることと、選べる条件は違う——フランスが問う「自己決定」の制度設計

Facebookで「IVG」と入力してみてほしい。フランスで人工妊娠中絶を意味するこの略語を検索すると、最初に表示されるのは公式情報ではない。「IVG:迷っているなら、話しに来て」という名前のグループだ。一見すると相談窓口のように見えるが、実際には中絶によって「打ちのめされた、あるいは破壊された」と感じる女性たちの証言を集めたページである。フォロワーは10万人を超え、5年間で5万ユーロを超える広告…

消防士2万人分の空白と、給与指標凍結のあいだで

2026/9/28

消防士2万人分の空白と、給与指標凍結のあいだで

「もしこの法律が森林火災の発生前に存在していたとしても、この夏に直面した問題には何一つ対応できなかっただろう」。9月27日、パリで開かれた集会で、職業消防士および専門行政・技術職員の自治連盟の副書記長グレゴリー・ヴェルクトル氏はそう言い切った。政府が示した民間安全保障の近代化法案について、彼は「われわれの困難にまったく何一つ応えていない」と切り捨てている。

泣く子の像の前で祈った教皇、それでも埋まらない溝

2026/9/28

泣く子の像の前で祈った教皇、それでも埋まらない溝

9月27日の朝、ルルドの聖域には夜明け前から人が集まり始めていた。オート=ピレネー県の草原に設けられた広場は、昼までに約15万人で埋まる。前日のミサには80万人が集まったというから、この巡礼地の規模の大きさが伝わってくる。教皇レオン14世は群衆の前に姿を見せる前、ひとつの写真の前に立ち寄っている。「泣く子(L'Enfant qui pleure)」——2021年に設置された、涙を流す天使像を写した…